北新地はな柳

元来、大阪という土地は、歴史的に商人が栄えた土地ということもあり、「値段だけが高く、満足度が低い」という価値のない高級品は徹底的に排除されてきました。

「値打ちがある」というのは、「高いか・安いか」という物差しではなく、「本当にその値段以上の価値があるかどうか」で判断されるものだったのです（今では大阪といえば「安ければいい」というイメージが定着してしまっているかもしれませんが、本来の大阪商人は「値打ち」で商品の良し悪しを厳しく判断していたのです）。

私たちはそんな目利きの厳しい大阪商人の心意気を受け継ぎ、本当に値打ちのあるもの以外は絶対にお客様に出さないと決めております。「はな柳」では、通年通して１万円のコースを基本としてご提案させていただいております（他のコースもお選び頂けます）。他の店では絶対に体験することができない「１万円で食せる和食の最高峰」をご堪能いただけるはずです。

例えば、１万５０００円で食べられる料理に１万５０００円以上の満足感が感じられなければ、それは「お値打ち」とは言い難いでしょう。私たちが目指しているのは、１万円のコースでその２倍、３倍の満足感を感じていただくことです。もっと言えば、値段とは関係なく「またぜひ食べに来たい」と感じてもらうことを目指しています。

「はな柳」では、高価な食材もお楽しみいただけますが、高価なブランド食材を遠方から寄せ集めて豪華さを演出することより、地域の一番旬な食材も取り入れながら、足し算と引き算をうまく組み合わせる事が値打ちにつながると考えています。

そのためには食材選び、調理方法、一品一品ごとのバランス、全体を通してのバランス、お酒や器選びにまで、一切妥協しないことが絶対条件です。

嬉しいことに、大阪以外の場所からわざわざ「はな柳」にお越しいただくお客様もいらっしゃいます。特に東京からお越しのお客様のリピートが多いです。
東京のお客様から見れば、「はな柳」で感じられる「大阪ならではの粋（すい）な心遣い」は東京では感じることができない大阪ならではのおもてなしの心として評価していただいているのかもしれません。

またお客様の食体験をさらに満足度の高い体験にしていただくために、1日4組限定、完全予約制としています。しっかりとした準備でお客様をお迎えする、来店されてお帰りになるまで快適に楽しんでいただく、その形を追求したスタイルになっています。

大阪で大切な人と食事をする時に、真っ先に思い出していただけるような、そんな存在として在りたいと考えております。

和食・日本料理と聞くと、あまり驚きや発見、ワクワク感のない真面目な料理だというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか？「はな柳」では、日本料理という枠にこだわらず、食べるという喜びと楽しみを体験することができる、そんな思い出に残る料理をお出ししております。

「この食材がこんな風になるなんて…」
「今まで苦手だったものがこんなに美味しく感じるなんて…」
「この料理がここまで美味しくなるなんて…」

と、驚きを感じていただけるように努力させていただいております。京都で最高の技術を学び、大阪で華やかさと値打ちについて学び、その両方を合わせた「はな柳だけでしか食べることができない料理と体験」をお楽しみいただければと思います。